自民党新型コロナウィルス感染症対策本部での発言内容

2020-4-13

 新型コロナウイルス感染症が、世界的に猛威を振るっている。
4月上旬までに、全世界の感染者が150万人を突破し、死者が10万人を超えるという状況を、新型コロナウィルスの中国での感染拡大が報じられた3ヶ月前、誰が想像できただろうか。
自民党は、新型コロナウィルス関連肺炎対策本部を設置、蔓延対策や経済対策について、議論が行われ、私自身も、予算委員会や法務委員会が開催されない限り(いずれの委員会も理事を務めているため、欠席することができない)、積極的に参画して、毎回発言するようにしてきた。
以下、時系列を追って、私の発言内容を紹介することとしよう。

3月2日 対策本部会議
議題 新型インフルエンザ等特別措置法の対象に、今回の、中国由来の新型コロナウィルス感染症を加えること

私の発言内容
現在でも、行動の自粛要請等は行われているわけで、休業も、外出の自粛も、この法律改正を行わなくても、要請自体は可能だ。この法律改正を行う意味があるとすれば、この法律に基づく休業要請には、相当の補償を行うというように、考え方ををしっかり整理しておく必要があるのではないか(政府からは、残念ながら、明確な返答はなかった)。

3月10日 対策本部会議
議題 新型コロナウィルス感染症の蔓延への対策について

私の発言内容
マスクの不足が全国的に問題となっている。ただ、いくら増産しても月6億枚ということでは、不織布マスクを毎日1枚使うことができる人数は、2000万人に過ぎず、国民全体に行き渡るはずがない。
政府は、医療福祉関係や食品製造等毎日マスクが必要な人がどれくらい、何日か使い回す人はどれくらい、マスクをつけなくても良い人はどういう人たちといったように、マスクの装着基準を明確に示すべきではないか。

3月19日 対策本部会議
議題 新型コロナウィルス感染症の影響に関するヒアリング(建設、トラック等)

私の発言内容
感染症の拡大抑止対策と経済対策は、ある意味で矛盾している。前者は経済活動の抑制を、後者は経済活動の活性化を求めるものだからだ。だから、まずは拡大を抑制し、しかる後に経済対策ということになる。そして今が感染拡大抑止の時期であることはいうまでもない。
ただ、感染拡大抑止といっても、一般的な活動自粛要請は、ずるい方法と言われてもいたしかたない。例えば、建設現場で作業員がマスクなしで作業するのはいいのか、悪いのか、事業者の判断のみに委ねるのは、さすがに事業者に酷だ。
感染拡大抑止のため、何はしても良いのか、何はすべきでないのか、具体的に示し、それで損失を被った方には、相応の面倒を見るような具体的なメッセージを出すよう、党としても政府に申し入れるようお願いしたい。

3月24日 対策本部会議
議題 新型コロナウィルス感染症の影響に関するヒアリング(医療、介護、保育、幼稚園等)

私の発言内容
今現場で、衛生用品、特にマスクが不足しているというお話を伺った。また、介護、幼稚園、保育園等には、布マスクを配布されるという。
ただ、今回の新型コロナの問題がここまで大きくなる以前、確かテレビ等で、「布マスクは感染予防にあまり役に立たない」という報道がなされたことを記憶している。布マスクを配布する以上、布マスクが、具体的にどのように効果があるのか、公的な見解をしっかりと示さなければ、布マスクが配布される施設にとっては不安だと思う。しっかりした対処をお願いしたい。
(その後、4月に入り、政府は、国民1世帯あたり2枚の布マスク配布を発表)

3月31日 経済成長戦略本部・対策本部合同会議
議題 新型コロナウィルス感染症に係る経済対策に関する党の提言

私の発言内容
① 今回の経済対策は、とにかく規模感とスピード感が大切。
② 消費税を引き下げるべきという意見もある。もとより議論するなとは言わないが、今、消費をいかに増やすかを議論しても、お金を使う人はいない。いずれにせよ次の段階の話ではないか。
③ 「お肉券」や「お魚券」が面白おかしく取り上げられ、さすがに対策には盛り込まれなかった。その一方で、特に和牛などは、消費が大きく落ち込み、倉庫がいっぱいの状況になっているそうだ。さらに、学童も、学校が休校になり、ストレスが非常にたまっている。4月からは再開する学校もあるかと思うので、和牛のすき焼きをタダで。学童の給食として振る舞うなど、子供たちに明るい話題を提供する施策も大切ではないか。

4月3日 税制調査会(コロナ対策関連)
議題 新型コロナ感染症対策に係る税制

私の発言内容
① 発言されるときにマスクを外される議員もいらっしゃるが、マスクは飛沫を飛ばさないためにつけるものでもあり、皆で気をつけよう。
② 消費税のことが大綱案に書かれていないことに不満の声もあったが、先の会議でも述べたが、今は消費税のことを議論すべきステージではない。
③ 新型コロナ対策の税制は、業種を限らず、幅広く恩恵を被ることができるようにすべき。例えば、テレワーク減税で用いようとしている中小企業経営強化法のスキームは、今大変な危機に陥っている劇場やイベント業などは対象になっていない。政令などを改正してしっかり対応すべき。

4月6日 政調全体会議
議題 新型コロナウィルス感染症に関する政府の経済対策

私の発言内容
① 経済対策の中に盛り込まれた「布マスク2枚の配布」や、「収入が急減した一定の要件を満たす世帯への30万円の給付」について、特に後者についてはその要件を緩和すべきという思いはあるものの、各方面の調整を経ているのだろうから、私は敢えて反対はしない。
しかし、配布や給付にスピード感を欠いたり、窓口で混乱を来したりすることとなれば、それは政治に対する信頼を決定的に毀損することになる。市町村の窓口だけに任せていたら、恐らくは大混乱だ。
例えば税務署の職員を応援に貼り付けるとか、プッシュ型の運用体制の強化を図るなど、役所の垣根を取り払った異次元の措置をとるべきではないか。
② 政府が、中小企業を支援する、雇用を守るというメッセージはある程度読み取ることができる。
しかし、医療の現場は、特に院内感染を出してしまった病院、市中のクリニックなど、経営面でも逼迫しているところが少なくない。経営面での支援がなければ、医療提供体制の強化といっても、絵に描いた餅になってしまう。
また、感染症にとどまらず、一般の医療現場も疲弊している。検査が一向に進んでいないにもかかわらず、新型コロナでない肺炎患者の入院も多く、逼迫している状況だ。
これら医療従事者に対する特別の手当なども考えるべきではないのか。