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新型コロナ対策に知恵を集める~私の提案が実現へ

2021-1-23

先のコラムで、1月13日午前の党本部の会議で、私が、外国人や邦人の入国後の行動制限は、現在「誓約書」で担保されており、一定の強制力を持たせるためには、入管法や検疫法の改正検討が必要と述べたことについて触れた。
この指摘を受け、その場でも、政府から、「検討する」旨の回答を得たわけだが、早速に改善が図られることとなった。
会議終了後、私から担当者に対しては、検疫法で何らかの義務づけを行い、その義務に違反した場合は、入管法の世界で対処することを検討してはいかがかという提案を行った。

政府の検討も迅速だった。 (続きを読む…)

新型コロナウィルス感染症対策に関する新たな立法の議論

2021-1-18

1月13日の自民党本部。新型コロナウィルス感染症対策に関する新たな立法措置の方向性が政府から示され、議論を行った。
政府からは、新型インフルエンザ特別措置法(特措法)の改正について、
○ 緊急事態宣言を出さなくても、予防的措置(後に「まん延等防止措置」に変更)の段階で、休業命令等ができるようにするとともに、臨時の医療機関の設置もできるようにする。
○ 休業命令等による経営への影響への配慮を努力義務化する
○ 休業命令違反等への行政罰を盛り込む
などの説明があり、さらに、感染症法の改正について、
○ 疫学調査に応じることの義務化と入院勧告違反への罰則
などの方向性についての説明があった。
今回も多くの議員からの 発言があったが、私からも、昨年来申し上げていることを敷衍した発言を行った。 (続きを読む…)

新型コロナ対策の法改正について提案を行う~党内の建設的議論こそ大切

2021-1-11

1月7日午前10時の自民党本部。急遽、令和3年になって初の「新型コロナ感染症対策本部」が開催された。
東京都の新規感染者数は、令和2年の大晦日に1337人を記録し、世間に衝撃を与えたが、年が明けてからも高水準で推移、1月6日には、1591人と過去最悪を更新した。
このような状況下、1月2日、関東1都3県の知事が政府に対し「緊急事態宣言」の発令を要請、菅総理も、1月7日にも緊急事態宣言を行う方向での検討を表明、さらに、新型インフルエンザ特措法等の早期の改正についても言及した。
この日の会議は、このような動きを受けたもので、各議員には前日に会議の案内が届くという、緊急の開催となった。
国民が大きな不安に直面する中、関心の高い会議であり、急な案内にもかかわらず、私も含め、多くの議員が出席し、医療現場や業界の窮状を訴えるなど、力のこもった演説をし、会議は、1時間の予定を大幅に超過、2時間15分に及んだ。
その中で私は、今後に向けた前向きの抜本対策をとるため、発言の中で、より建設的な提案をさせていただいた。 (続きを読む…)

「ウィルスに年末年始はない」~鳥インフルエンザの大流行

2021-1-4

新型コロナウィルス感染症が、年末年始を控えて、猛威を振るっている。まさに、「ウィルスに年末年始はない」という状況だ。
そして今年は、養鶏・食鳥の世界で、もう一つのウィルスが猛威を振るっている。「高病原性鳥インフルエンザウィルス」だ。
本シーズンはすでに、14県、34農場での感染が確認され(令和3年1月4日現在)、過去最大の約480万羽の鶏が殺処分の対象となっている(国内の飼養羽数の約1.5%強)。
私は、現在、農林水産副大臣として対応に当たっており、鳥インフルエンザの発生を見た香川、宮崎、大分、千葉、岐阜の5県にそれぞれ日帰り出張し、直接知事とお会いし、県当局との連携強化を確認したが、昨年の千葉県は12月24日、今年の岐阜県は1月2日と、まさに、「ウィルスには、年末年始もクリスマスもない」ということを実感した。
まん延の理由は、今後更に専門家による検討が必要だが、今回は、現在の状況と取り組みについて報告する。

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政府の対応にしびれを切らす~幹事長室緊急提言を策定

2020-7-24

第1 幹事長室緊急提言を策定するまで

(私が感じた疑問)

先のコラムで私は、①仮設でも良いので、新型コロナの感染者が急拡大したときに備え、病床(人員の確保は当然)を準備しておくべき。②経済活動再開の安心のため、自費負担でも良いから、PCR検査や抗原検査を受けることができるようなルートを確立すべき。ということを訴えた。

そして、このことについて、党内の会合でも、ゴールデンウィーク前後から、ずっと発言してきた。
しかし、5月から6月にかけ、感染者数の増加がある程度落ち着きを見せ、超大型の給付措置等を内容とする第2次補正予算も成立すると、政策対応に「ほっと一息」感が見えるようになった。
政府や党の政策議論も、コロナ後の国際秩序形成(「米中新冷戦」?)やデジタルトランスフォーメーションによる新しい経済の構築に移行してしまった。
それはそれで大切なのだろうが、冒頭述べた問題意識を持っていた私自身は、本当にこれで良いのかと、大いに疑問を持っていた。

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自民党新型コロナウィルス感染症対策本部での発言内容

2020-4-13

 新型コロナウイルス感染症が、世界的に猛威を振るっている。
4月上旬までに、全世界の感染者が150万人を突破し、死者が10万人を超えるという状況を、新型コロナウィルスの中国での感染拡大が報じられた3ヶ月前、誰が想像できただろうか。
自民党は、新型コロナウィルス関連肺炎対策本部を設置、蔓延対策や経済対策について、議論が行われ、私自身も、予算委員会や法務委員会が開催されない限り(いずれの委員会も理事を務めているため、欠席することができない)、積極的に参画して、毎回発言するようにしてきた。
以下、時系列を追って、私の発言内容を紹介することとしよう。

3月2日 対策本部会議
議題 新型インフルエンザ等特別措置法の対象に、今回の、中国由来の新型コロナウィルス感染症を加えること

私の発言内容
現在でも、行動の自粛要請等は行われているわけで、休業も、外出の自粛も、この法律改正を行わなくても、要請自体は可能だ。この法律改正を行う意味があるとすれば、この法律に基づく休業要請には、相当の補償を行うというように、考え方ををしっかり整理しておく必要があるのではないか(政府からは、残念ながら、明確な返答はなかった)。

3月10日 対策本部会議
議題 新型コロナウィルス感染症の蔓延への対策について

私の発言内容
マスクの不足が全国的に問題となっている。ただ、いくら増産しても月6億枚ということでは、不織布マスクを毎日1枚使うことができる人数は、2000万人に過ぎず、国民全体に行き渡るはずがない。
政府は、医療福祉関係や食品製造等毎日マスクが必要な人がどれくらい、何日か使い回す人はどれくらい、マスクをつけなくても良い人はどういう人たちといったように、マスクの装着基準を明確に示すべきではないか。

3月19日 対策本部会議
議題 新型コロナウィルス感染症の影響に関するヒアリング(建設、トラック等)

私の発言内容
感染症の拡大抑止対策と経済対策は、ある意味で矛盾している。前者は経済活動の抑制を、後者は経済活動の活性化を求めるものだからだ。だから、まずは拡大を抑制し、しかる後に経済対策ということになる。そして今が感染拡大抑止の時期であることはいうまでもない。
ただ、感染拡大抑止といっても、一般的な活動自粛要請は、ずるい方法と言われてもいたしかたない。例えば、建設現場で作業員がマスクなしで作業するのはいいのか、悪いのか、事業者の判断のみに委ねるのは、さすがに事業者に酷だ。
感染拡大抑止のため、何はしても良いのか、何はすべきでないのか、具体的に示し、それで損失を被った方には、相応の面倒を見るような具体的なメッセージを出すよう、党としても政府に申し入れるようお願いしたい。

3月24日 対策本部会議
議題 新型コロナウィルス感染症の影響に関するヒアリング(医療、介護、保育、幼稚園等)

私の発言内容
今現場で、衛生用品、特にマスクが不足しているというお話を伺った。また、介護、幼稚園、保育園等には、布マスクを配布されるという。
ただ、今回の新型コロナの問題がここまで大きくなる以前、確かテレビ等で、「布マスクは感染予防にあまり役に立たない」という報道がなされたことを記憶している。布マスクを配布する以上、布マスクが、具体的にどのように効果があるのか、公的な見解をしっかりと示さなければ、布マスクが配布される施設にとっては不安だと思う。しっかりした対処をお願いしたい。
(その後、4月に入り、政府は、国民1世帯あたり2枚の布マスク配布を発表)

3月31日 経済成長戦略本部・対策本部合同会議
議題 新型コロナウィルス感染症に係る経済対策に関する党の提言

私の発言内容
① 今回の経済対策は、とにかく規模感とスピード感が大切。
② 消費税を引き下げるべきという意見もある。もとより議論するなとは言わないが、今、消費をいかに増やすかを議論しても、お金を使う人はいない。いずれにせよ次の段階の話ではないか。
③ 「お肉券」や「お魚券」が面白おかしく取り上げられ、さすがに対策には盛り込まれなかった。その一方で、特に和牛などは、消費が大きく落ち込み、倉庫がいっぱいの状況になっているそうだ。さらに、学童も、学校が休校になり、ストレスが非常にたまっている。4月からは再開する学校もあるかと思うので、和牛のすき焼きをタダで。学童の給食として振る舞うなど、子供たちに明るい話題を提供する施策も大切ではないか。

4月3日 税制調査会(コロナ対策関連)
議題 新型コロナ感染症対策に係る税制

私の発言内容
① 発言されるときにマスクを外される議員もいらっしゃるが、マスクは飛沫を飛ばさないためにつけるものでもあり、皆で気をつけよう。
② 消費税のことが大綱案に書かれていないことに不満の声もあったが、先の会議でも述べたが、今は消費税のことを議論すべきステージではない。
③ 新型コロナ対策の税制は、業種を限らず、幅広く恩恵を被ることができるようにすべき。例えば、テレワーク減税で用いようとしている中小企業経営強化法のスキームは、今大変な危機に陥っている劇場やイベント業などは対象になっていない。政令などを改正してしっかり対応すべき。

4月6日 政調全体会議
議題 新型コロナウィルス感染症に関する政府の経済対策

私の発言内容
① 経済対策の中に盛り込まれた「布マスク2枚の配布」や、「収入が急減した一定の要件を満たす世帯への30万円の給付」について、特に後者についてはその要件を緩和すべきという思いはあるものの、各方面の調整を経ているのだろうから、私は敢えて反対はしない。
しかし、配布や給付にスピード感を欠いたり、窓口で混乱を来したりすることとなれば、それは政治に対する信頼を決定的に毀損することになる。市町村の窓口だけに任せていたら、恐らくは大混乱だ。
例えば税務署の職員を応援に貼り付けるとか、プッシュ型の運用体制の強化を図るなど、役所の垣根を取り払った異次元の措置をとるべきではないか。
② 政府が、中小企業を支援する、雇用を守るというメッセージはある程度読み取ることができる。
しかし、医療の現場は、特に院内感染を出してしまった病院、市中のクリニックなど、経営面でも逼迫しているところが少なくない。経営面での支援がなければ、医療提供体制の強化といっても、絵に描いた餅になってしまう。
また、感染症にとどまらず、一般の医療現場も疲弊している。検査が一向に進んでいないにもかかわらず、新型コロナでない肺炎患者の入院も多く、逼迫している状況だ。
これら医療従事者に対する特別の手当なども考えるべきではないのか。

衆議院本会議で令和2年度総予算案の賛成討論(R2.2.29)

2020-2-29

2月28日の衆議院本会議で、私は、自由民主党を代表して、令和2年度総予算案の賛成討論を行い、その後、予算案は自民、公明などの賛成多数で可決され、憲法の規定により、年度内の成立が確実になった。私にとって、総予算案の賛成討論は、平成29年度総予算案に続き、2回目となる。今回のコラムでは、次に、その全文を掲載する。

自由民主党・無所属の会の葉梨康弘です。
私は、令和二年度一般会計予算案ほか2案について、賛成の討論を行います。

冒頭、今般の新型コロナウィルス感染症によりお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げ、討論に入ります。

まず、予算委員会で議論となったいくつかの論点について申し述べます。
はじめに、冒頭述べた感染症問題です。
足下の状況を見ると、国内の複数地域の感染が確認され、国民の間に不安が広がるとともに、我が国経済にも深刻な影響が見られつつあります。

事態の早期終息のためには、今がまさに正念場です。
政府は、昨日、総理のリーダーシップにより、全国の小中高等学校に臨時休校を要請することを決定しましたが、これは、総力を挙げて感染拡大防止に取り組む、我が国の強い姿勢を内外に示すこととなりました。

政府は、今後も、水際対策の更なる強化、国内の検査、相談、医療提供体制の充実・拡大のほか、国民の不安をしっかりと受け止め、生活への影響にも配慮しつつ、国民の命と健康を守るための異次元の対策を進めるとともに、「新型コロナウィルス感染症」という、新たな経済の下振れリスクに対し、的確な対応を行っていく必要があります。
3月末までは、令和元年度予算の予備費2700億円の残額を活用し、順次必要な対応を迅速に実施していくこととなりますが、4月以降は、本予算案に盛り込まれた感染症対策費や経済対策予算を早期に執行し、効果的な対策を実行することが求められます。だからこそ、本予算案の早期成立を強く求めます。

また、総理主催の「桜を見る会」についての議論がありました。
私はかつて、公職選挙法違反事件等の捜査指揮に当たったことがありますが、いわゆる前夜祭に関する質疑を聞く限り、違法性があるとは思えませんでした。
そして、「桜を見る会」については、総理自身が、招待基準が曖昧で、招待人数が増大したことについての反省を表明し、今後の改善を約束されています。
立法府には、今後政府において検討される、招待基準やその透明性、文書管理のあり方を適切にチェックしていくことこそ求められますが、予算審議を引き延ばす理由とならないことは明らかです。

さらに、東京高検検事長の定年延長についての議論がありました。
検察官の定年延長が国家公務員法に違反しているか否かという点について、人事院は、委員会で、一貫して、「特別法である検察庁法の解釈として、法務省において整理されるべき」と答弁しており、法務省が解釈を整理した上で行った閣議請議の適法性は明白であり、予算審議を引き延ばす理由とならないことは明らかです。

次に、本予算案に賛成する理由を申し述べます。
これまでの7年余、我が国は、安倍政権の下、経済再生と財政健全化を推し進め、大きな成果を上げてきました。
国内総生産は、名目・実質ともに過去最大規模に達し、株価も政権交代前の倍以上に上昇、雇用も大幅に改善しました。
また、このような経済成長による税収増により、毎年の国の借金は12兆円減り、財政健全化も着実に進めてきました。
こうした中、令和二年度予算は、今後も経済再生と財政健全化を両立させるという安倍政権の方針を具体化したものになっていると考えます。

以下3点申し上げます。

第1は、我が国が直面する構造的問題である人口減少・少子高齢化に対処するため、全世代型社会保障実現のための施策を盛り込むなど、国家国民のために実行すべき施策をしっかりと盛り込んでいる点です。

これにより、例えば、一定の世帯についての高等教育の無償化など、今まで高等教育に進むことをあきらめていた子供たちが、夢を持つことができる施策が推進されることとなります。

第2は、財政再建にも配慮した予算となっている点です。
令和二年度予算案における公債発行額は、税収見込みの増を反映し、当初予算ベースで8年連続縮減となり、財政健全化の歩みを進める予算案となっています。

第3は、様々な経済の下振れリスクを乗り越えるために必要な措置を講じている点です。
昨年決定された総合経済対策では、「15か月予算」の考え方のもと、令和元年度の予備費、補正予算、そして令和2年度予算の「臨時・特別の措置」を組み合わせ、機動的かつ万全の対策を行い、持続的な経済成長の実現を図ることとされていますが、本予算案は、これを着実に実行するものとなっています。
今私たちは、「新型コロナウィルス感染症」という、新たな経済の下振れリスクに直面しています。今後の推移によっては、勿論、更なる機動的経済対策を講じることも必要でしょう。
その上で、現在、私たち国会議員にできることは、まずは本予算案を早期に成立させ、予算執行をできるだけ前倒しすることにより、「新型コロナウィルス感染症」を含む様々な経済の下振れリスクに、的確に対処することではないでしょうか。

以上、本予算案に賛成する理由を申し述べました。議員各位のご賛同を賜りますことを強くお願い申し上げ、私の賛成討論と致します。

 

 

 

水田農業の今後~高収益化が必須の課題(R1.12.29)

2019-12-29

令和元年12月20日、令和2年度予算が閣議決定された。
その中で、新規の施策として、「水田農業の高収益化の推進」という新規項目が盛り込まれた。
これは、水田農業の規模拡大を推し進める一方で、水田地帯の農村にも、施設園芸やレンコンなど、高収益作物による営農活動を奨励し、水田地帯であっても、農業に従事する人口を減少させないようにする施策だ。
これは、この夏の概算要求前に、私自身が、農林役員会等の場で提案し、新たに予算化したものだ。
このような施策を推進しなければならなくなった背景には、米作だけでは、農家が収入を得られなくなってきたという事情がある。

(農家はどれくらいの水田を耕作すれば食べていけるか)
我が国の高度成長が始まる以前は、我が国の農家数550~600万戸という数字は、ほぼ変わることはなかった。 農家の多くは水田農家で、当時、1戸当たりの平均作付け面積は、1.1ヘクタール程度、半数は専業農家だった。
ただ、かつては、まあそれでも食べていけた。
今から約60年前の昭和34年、玄米60キロ(1俵)の政府買い取り価格は3,886円(玄米3等)だった。(当時は、食糧管理法により、政府が米を全量買い入れていた。)
ちなみにこの年の大卒初任給は11,297円で、現在(平成30年)の210,200円に置き換えると、貨幣価値は18.6分の1という計算になるので、当時の米1俵の値段は、72,280円に相当することになる。(平成30年の米1俵の値段は全銘柄平均で15,716円)
米がいかに高級品であったかが分かる。
そして、全国平均で、米は10アール当たり8俵とれるので、昭和34年当時の水田農家は、1.1ヘクタール耕作すれば636万円の売上げで、利益を半分程度とみても月27万円の所得、これに裏作等の収益や場合によっては兼業収入を加えれば、まあ食べていけた。

(水田農家の利益の縮小)
ただ、水田農家の懐具合は、平成に入り急激に寂しくなる。
バブル経済が崩壊した平成2年、米価は1俵当たり21,600円、大卒初任給は約17万円だった。
先に述べた平成30年の数字と比べると、平成の時代、米価が約3割下落した一方、給与は、約1.24倍になった。
ざっくり言えば、コストの方は上がっているが、売り上げの方は下がっているということで、水田農家の利益は、大幅に縮小することとなった。(昭和末期から平成初めにかけて、食糧管理法による生産者米価の算定が見直され、さらに平成7年に同法自体が廃止されたことも影響していると思われる。)
例えば、平成2年当時、コスト(物件費)1万800円、農家の人件費(所得)1万800円と計算されていたと仮定し、平成30ねんまでに、コストが大卒初任給の上昇程度に値上がりしたと想定すれば、平成30年のコストは1万3392円となるので、平成30年における農家の所得は、米1俵当たり2,324円と、平成2年の1万800円と比べると、大幅に減少してしまう計算だ。
このように、米の売り上げに農家の所得が占める率は、最近急激に低下し、水田農家が、米作専業で、他産業並の所得を得るためには、1戸で約20ヘクタール耕作しなければならないと言われるまでになってきている。

(水田地帯から農家がいなくなることを防がなければ)
米価下落の理由は、米の消費の低迷にあるわけだが、農政サイドでも、ある程度の米価安定策は講じてきた。
平成30年の15,716円という価格は、詳しくは述べないが、飼料用米など各種の施策の組み合わせで保たれている価格であると言っていえなくもない。ただいずれにせよ、かつてのような水準に米価を引き上げることは不可能だ。
平均的に見ると、米作地帯の農村が余り元気がないのは、こういった理由による。
実際、戦後すぐの時期には、60ヘクタールの水田があれば、55戸の集落が生活できた。しかし今は、3戸の担い手に水田の耕作を集中すれば、当該3戸は農業で食べていけるが、後の52戸はどうするのか。
農村機能自体が崩壊してしまったら、担い手の皆さんにしたって、生活はやっていけまい。
そこで冒頭述べた、「水田農業の高収益化の推進」ということになるわけだ。
例えば、水田地帯であっても、施設園芸(花き、いちご等々)であれば、少ない面積で売り上げをあげることができる。レンコンなども同様だ。
私が提案したのは、60ヘクタールの水田があれば、例えば40ヘクタールを2戸の担い手に集約し、残りの20ヘクタールを高収益作物に転換、その場合の施設整備や土地改良等には公的な手厚い支援を行い、数十戸を農家として、農村に定着させようという計画だ。
もとより、作付ける作物の種類や営農のあり方は、地域によって様々と思うが、このような取り組みが、地域の実情に応じて、全国に広がっていくことを期待したい。