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答弁する冬柴国土交通大臣
よくある誤解第9条「『道路特定財源』という『道路色』のお金があるから、必要もない道路が作られる」
これは、一見もっともらしい理屈だが、「道路特定財源の税収額」イコール「道路投資額」である場合は、あるいは成り立ち得るかも知れないが、現状のやりくりを考えると、誤解に類するものだ。
すなわち、平成19年度中の「道路特定財源」の税収総額は約5.6兆円だったが、「必要な道路」を作るにはとても足りず、この年、国費・地方費の道路投資総額は約6.8兆円と、約1.2兆円の一般財源(地方交付税、国公債等)由来のお金を投入せざるを得なかったという現場の状況が忘れられている。
仮に今、「道路特定財源」の税収のうち暫定税率分2.6兆円の歳入欠陥が生じたらどうなるか。
今でも一般財源から1.2兆円をたしているのだから、これをさらに増額(他の支出を引っ込めて)せざるを得なくなるということだ。そもそも、3回前のコラムでも指摘したが、民主党の政策は、暫定税率廃止(2.6兆欠損)、高速道路無料化(2.5兆欠損)、最低賃金大幅上げ(1.4兆支出増)、高所得世帯も含む子供手当創設(5.1兆支出増)等々、ざっとみても18.9兆円のお金が必要で、国家公務員全員を馘首にして5.3兆円を浮かしても賄えない勘定だが、それでも彼らは、道路については、「やりくりをして、特に地方の、必要な道路整備予算を確保する。」と言い張る。
これでは、教育や福祉といった大所の支出を削らなければならないのは明らかで、削らなければ、増税か借金しかない。
3月18日の畜産・酪農対策小委員会。2月の牛・豚対策に引き続き、養鶏農家(鶏卵生産者)向けの緊急対策を決定。配合飼料価格の高騰は、養鶏農家の経営も直撃している。今回は、鶏卵補てん基準価格を、かつてない水準で19円引き上げ、鳥インフルエンザ危機以上の支援水準を確保した。席上、委員長である私から、「今回の価格決定は、基金を使いきる水準の思い切った対策。業界にも価格転嫁の努力、生産調整の努力をお願いしたい」と発言、生産者団体に対しても、さらなる努力を要請した。
3月17日朝、インドネシアのスタント国家警察長官(閣僚)が来日。その日の夕刻、両国のちゃんこ屋。私を含め、かつてインドネシアに駐在した警察アタッシェが、スタント長官(私の左隣)やユスフ駐日大使(そのまた左隣)さらにそのご夫人方・随員を招いて食事を共にする。私もその一翼を担ったつもりだが、交番システムの技術協力など、現在、日イ警察の関係は、かつての「福田ドクトリン」に示された「心と心の関係(ダリハティクハティ)」を、まさに体現するものとなっている。これを育てていくのも、我々政治家の責務だ。
2月の牛・豚向け緊急対策決定後、残る緊急対策は養鶏の問題。物価の優等生と言われてきた卵は、配合飼料価格等のコスト増にもかかわらず、供給過剰で、価格はむしろ低迷している。今年からは、この問題も、畜産・酪農対策小委員会で議論することとなった。ただ、委員長を務める私自身が、現場の声を聴いていなければ、良い対策を打つことはできない。でも国会対策副委員長の職務上、土日しか時間がままならない。3月16日の日曜日、地元の日程の間に、龍ヶ崎市の押木養鶏場視察をセット。私自身は、大きなインスピレーションを得た。
中期計画の位置づけを説明
まず、よくある誤解第7条「今回の『道路の中期計画』は、個別の事業名や工事箇所を明示しておらず、根拠薄弱で杜撰な計画だ」
このような誤解は、野党からの質疑の中でよく見られた。
確かに、つい十年くらい前まで、「公共事業に関する計画」といえば、ときに、具体的な事業名、工事名が記載されるなど、相当具体的なものだった。
しかし、私はこの日、このような「具体的な計画」には弊害があったからこそ、意図的に、「目標の大枠を示すザクッとした計画」に変えたのが、まさに小泉構造改革だったことを指摘した。
このことを、野党の質疑者は、ほとんど理解していない。わが国の道路整備計画は、昭和28年に、「道路整備費の財源等に関する臨時措置法」(現「道路整備費の財源等の特例に関する法律」)が制定され、翌29年から、「道路整備五箇年計画」が策定されるようになったことに始まる。
この計画は、次第に、具体的な事業、特に大規模プロジェクトを盛り込むものとなる。
政府自身、平成13年には、これまでは、費用対効果が甘く見積もられ、その大規模プロジェクトの実現を自己目的化してきた面があったことを、率直に反省している(6月の「骨太の方針」)。
小泉改革について述べる大田経済財政大臣
よくある誤解第5条「『霞ヶ関埋蔵金』は無尽蔵」
昨今、「霞ヶ関埋蔵金」という言葉がはやっている。
これは、自民党の財政改革研究会(与謝野馨会長)が、「行政のムダを省き、特別会計の貯まり金や政府資産を整理すれば『お金が無尽蔵に出てくる』というのは、『霞ヶ関埋蔵金伝説』に過ぎず、やはり安定的な税源の確保が必要」という主張をまとめたのが発端。
これに、与党の他の政治家が、「いやいや『埋蔵金』はある。これを先に使え。」と反駁し、与野党こぞって、「埋蔵金探し」に血眼になったというのが、ことの経緯だ。
予算委員会での質問風景
この3月の日本農業新聞で、自民党の農林幹部とJA全中(旧農協中央会)の紙上座談会が行われることになった。私は、「幹部」というより、「若手代表」としての参加だと思うが、畜産・酪農対策小委員長として、今回の経営支援緊急対策と、5月末をメドに打ち出す追加対策の検討の方向について考え方を語った。今次の緊急対策は、マスコミ・業界等から、おおむね好意的に受け止められたようだが、追加対策をどうもっていくのか、将来への「夢と希望」をどう確保するのか、各方面の関心は極めて高く、身の引き締まる思いだ。
3月5日は、伊吹幹事長と茨城県の農業視察。私は、畜産・酪農対策小委員長と、県選出代議士という2つの資格で参加した。写真は、守谷市・大木流作の庄司牧場。私の選挙区には、守谷の大八洲酪農協と、稲敷の本新酪農協という2つの組合がある。いずれも数十戸程度とはいえ、日本の開拓を背負ってきた人達だ。ここ守谷の大木流作は、かつては毎年利根川・鬼怒川の増水で、農家の方々が、牛たちと共に、数日間堤防に避難、野営した歴史を持つ。私はそのころからの付き合い。今は酪農団地事業で大分改善されたが、飼料高に頭が痛い。
2月29日、平成20年度予算案が衆議院で可決。総理・官房長官・財務大臣らが国会対策委員会室を訪れた折のスナップが党本部から届いた(私は総理の左上)。今、民主党の方が、日銀総裁人事も絡め、「審議を先延ばし」、「結論は反対ありき」戦術。民主党の山岡国対委員長は、3月11日の会合で、「税制法案の成立は年度内でなく1月位遅らせ、混乱させる。」とうそぶいたという。これでは、国民生活が犠牲になる。まあ、大変偉い国対委員長様ではあるが、我々与党は、しっかり結束を固め、国民生活を守っていかなければならない。