小児性愛者対策を急げ~こどもを魔手から守るために

2005-1-19

TV朝日に出演

全国に大きな衝撃を与えた奈良の小一女子殺害事件を契機に、警察などに「性犯罪者」の居住情報を持たせるべきという議論が起こっている。

小泉総理は、1月11日、この件について積極発言。

私も、この問題に詳しい国会議員として、翌日の12日には、TV朝日「ワイドスクランブル」のインタビューに応じ、小児性愛対策の重要性を訴えた。

児童に対し異常な性的興味を持つ方々は、小児性愛者(ペドファイル)と言われ、児童の人権保護のため、欧米では、社会に対する脅威と認識されている。このため、国により事情は異なるが、

○小児性愛を助長する児童ポルノへの厳しい対応

○精神医学等の専門的知識が必要な小児性愛犯罪者矯正プログラムの研究開発

○(現段階では小児性愛癖の矯正はきわめて難しいため)小児性愛犯罪者の居住情報の学校等への開示

などを組み合わせた包括的対策がとられている。

我が国でも、昨年、児童ポルノ法の改正(私が答弁)が行われた。

ただ、例えば、昨年2月の国会質問で、私が、「小児性愛矯正のための専門的プログラムの検討」を要請しても、政府答弁は、「性犯罪者にはその犯罪の重要性をわからせるようにしています」といった内容にとどまるなど、必ずしも国民的理解や政府の取り組みが十分とはいえないような気がする。

そして、今回の奈良の事件で、ようやく問題の深刻さに気づいた面もある。

1月18日の党の法務部会で、法務省と警察庁から、性犯罪前歴者対策を聞いたが、私からは、

○単なる「性犯罪者」というくくりでなく、欧米で、「小児性愛対策」が、国家的重大課題となっていることをもっと勉強して欲しい

○米英では、警察が前歴者情報を持ち捜査に役立てるだけでなく、一定の要件の下、その情報が国民に開示され、自衛措置をとれるようにしており、その方面の仕組みも検討すべき。

と申し上げ、対策の強化を訴えさせていただいた。

この発言について、部会後NHKのインタビューを受け、夜のニュースでも放映されたが、法務部会としても、国民への情報提供がどこまで可能か、議員立法も視野に検討していこうということになった。

プライバシー保護の問題等課題は大きいが、是非参加して知恵を出していこう。

実は、私自身は、小児性愛者に対する包括的対策の必要性を、警察庁の少年課理事官をしていた8年前から、国際的動向や現場の声を踏まえ、ことあるたびに主張してきた。

そして当時、児童買春・ポルノ禁止法の制定(H11)に参画するなど、一定の成果は上げたものの、それが精一杯で、若輩の一官僚の意見では、部内外の説得には限界があった。

こどもを守るための包括的対策の確立には、官僚の立場でなく、やはり国会議員が仕事をしなければと、志を立て、今、衆議院で仕事をさせていただいているが、昨年の児童虐待問題、児童ポルノ法改正問題に引き続き、「昔とったきねづか」を使う場面がまためぐっててきたことになる。

勿論、政治家を志した原点に帰り、しっかり仕事をしていきたいと思う。

ただそれにしても、この手の分野が脚光を浴びるとは、いやな世の中になったものだ。