民主党農業再生プランの大ウソ~数だけが踊る荒唐無稽

2005-3-11

今日は、先に国会質問をした食料自給率の話。

予算委で農水大臣に質問

昨年5月、野党民主党の「農林漁業再生プラン」なるものが発表された。
くろうと的には、明かな「絵に描いた餅」と思える内容だが、農家の方と話していると、私の地元でも、相当動揺が広がっている。
民主党は、政権獲得後10年で、現在40%の食料自給率(カロリーベース)を50%に上げてくれるという。
しかも、(多分農林関係を中心に)公共事業費を削減、1兆円のお金を作り、全ての農家にばらまくとのこと。
構造改革はしなくていい、痛みもいらないということらしい。

ところが自民党。
農家にも構造改革の痛みを強い、コメの価格も市場重視で(特に昨年は安すぎる。)しかも、自給率は、10年で、5%上げるのがやっとだって。
どこかさえない。
でも、うまい話には「うそ」がある。
実は、民主党の自給率アップの決め手は、小麦の増産。
パン・パスタ食の普及で、わが国は今620万トンの小麦を消費しており、約550万トンを輸入に頼っている。
民主党は、過去わが国が、「小麦」を400万トン生産したという「データ」をもとに、パン・パスタ需要を国内小麦で賄えば、自給率を8%アップできるという。
聞こえはいいが、そのいい加減さに、私は、怒りすら覚える。
まず第1に、わが国は過去に「小麦」を400万トン生産した事実はない。最大で179万トン。
確かに、米の代替食料として、主に麦飯(従って製粉されない)に使用された大麦の生産も加えれば、麦全体で400万トンという時期もあった。
しかし、製粉される小麦と、粒食主体の大麦は、全く別の作物で、「過去に小麦400万トン生産」というのは明かなウソ。

第2に、日本の麦がパンやパスタに向くのかという問題。
日本の小麦粉は、古来「うどん粉」と言われてきたように、湿潤な気候の中で蛋白の含有量が中くらい(中質小麦)という宿命を持っており、うどん・すいとんには向くが、パン・パスタ用の強力粉や、お菓子用の薄力粉の原料にはなりにくい。
だから、小麦の生産量がピークだった昭和17年も、小麦は、パンでなく、これも米の代替物として、「すいとん」に使用されてきたように思う。
今自民党でも、わが国でも、パン向けの硬質粉栽培を促進するよう、真面目に、熱心に議論している。
ただ、民主党の政策は、わが国の消費者に、「うどん粉パン(もちろんとってもまずい)だけを食べろ」と強制するようなもの。
でも今や、民主党が批判する「農林族議員」すら(そもそも今、ステレオタイプの族議員などどこにもいないが)、そんなヒトラーみたいなことは考えていない。

私は、こんな関心から、去る2月25日、島村農水大臣などに対し、民主党農林漁業再生プランの欺瞞性について国会質問をした。
ご興味のある方には、このホームページのビデオ欄を見ていただきたいと思う。

絵に描いた餅でなく、真剣に農業と国の行く末を思うものとして、これからも、しっかり勉強をしていきたい。