探偵業新法の法案を衆議院に提出~政局に翻弄された議員立法の無念

2005-8-5

今日8月5日、前々からの懸案だった「探偵業新法案」を、自・公の法案として衆議院の議員部に提出。議員立法案として正式に登録された。

党総務会での法案説明(4.26)

今まで私は、探偵業の問題は、是非今国会中に片を付けるべきという考えで、民主党との折衝に当たってきた。
すなわち、本年4月に個人情報保護法が施行、個人情報の保護の必要性が高まっている。
それなのに、個人情報の問題に密接に関わる探偵業が、法的にも野放しでは、国会として、不作為のそしりを免れないと思うからだ。
だからこそ、粘り強く折衝してきたが、民主党からは誠意ある回答が得られないまま。
折しも永田町には、参議院での郵政民営化法案審議の関係で、すさまじい解散風が吹いている。
そこで、会期末を8月13日に控え、少なくとも法案を国会に提出をし、継続審議になるにせよ、あるいは、衆議院解散で廃案になるにせよ、国会が何らかの仕事をしたという足跡を残すこととした次第。
でも私は、探偵業新法案が、政局に翻弄されたという無念さを持っている。コラムや活動日誌にも記した通り、探偵業新法案が自民党総務会の了承を得たのは4月26日、その後、公明党にも党内手続きをしてもらった。

実はこの手の議員立法、せこい話だが、与党の、しかも若手が法案を提出するとなると、野党の方は、対抗意識を出してきて、すんなりと成立させることにいい顔をしない。
まあ、気持ちは分かる。
「功名」を得させたくないということだ。

ただ、我々与党も大人で、通常は、「個人の功名」よりも、「政策の実現」を優先する。
そこで、議員立法については、まず自民・公明の了承をとった後、民主党に対しても、一緒に提案者となって下さいと働きかけることになる。
そこで、もしも民主党、さらに、共産党及び社民党が応じれば、衆議院の委員会が一致して法案を提案した形式をとることができ、審議は参議院だけで済む。

私たちは、探偵業法案について、もともと、このような「委員長提案」形式を目指していた。
そこで5月下旬には、民主党ネクストキャビネットで国家公安委員会を担当する円より子参議院議員に法案を説明、その後も主な方々に法案を説明し、検討をお願いしていた。

ただ返事は、なしのつぶて。
もっともいろいろな事情もあった。
5月下旬から6月上旬までは、郵政法案の関係で、民主党が審議拒否をしていた。
6月中旬から7月上旬までは、東京都議選の関係で政治休戦に入ってしまった。
そして、7月5日に郵政民営化法案が5票差で衆議院を通過した後は、ご案内のような解散風。

ただ、そうはいっても、民主党内で法案検討に削く時間が全くないわけではないはず。
だから何回も催促したが、残念ながら、前向きの返事は返ってこなかった。

そこで、最悪の場合8月8日の衆議院解散がささやかれる中で、最後のタイミングとして、本日の議案提出となった。
私自身は、折角国民のためということで、苦労して作り上げた探偵業新法の法案が、政局に翻弄されたという無念さを持っている。
そして、これに加えて、やはり、与野党とも、余りメンツにこだわらず、国民のためになる法案は、しっかり審議する姿勢を持つことが大事ではということを痛感した次第だ。