3年半ぶりの国会質問~農林水産委員会理事として

2013-1-31

国政復帰後初めての委員会質問

1月24日、私は、3年半ぶりの国会質問に立った。
国会召集は28日だが、この日、主として畜産・酪農対策について審議するため、衆議院農林水産委員会が開会され、この国会から理事に就任することとなった私が、トップバッターとなった。
私自身は、これまでの約6年間の国会議員生活の中で、自民党の農林部会長代理を3年間、畜産・酪農対策小委員長を3年間、それぞれ務めるなど、農林分野に力を入れてきた。
ただ、委員会となると、農林水産委員会にはなぜか縁がなく、予算委員会、国土交通委員会、総務委員会などに所属していたため、この日は、私にとっても初めての農林水産委員会での質問となった。
現在、TPP交渉参加の是非などをめぐり(私は反対の立場。)、どのようにして、畜産酪農業を初めとしたわが国農業を守り、攻めの産業に変えていくべきかという論議が盛んに行われている。

この日の質問では、原点に帰って、なぜわが国の畜産・酪農業を守り育てなければならないかという点を、私なりに整理させていただいた。
私は、先に述べたように、自民党の畜産・酪農対策小委員長を3年間務めた経験を持つが、実は、私の選挙区で畜産・酪農業を営む農家は100戸程度と決して多くなく、選挙のための仕事でないことは明らかだ。
だからこそ、私は、わが国にとって、畜産・酪農業の存在がなぜ必要なのだろうかということを常に考えながら、委員長としての務めに当たってきた。
論じればきりがないが、この日の質問では、大きく4点を挙げ、整理させていただいた。

1つは、消費者に対して、安全で良質な動物性タンパクを提供しなければならないということ。
飲用乳、生卵は勿論のこと、肉類についても、国内ならではのしっかりした管理の下で、食の安全を確保することが大切だ。

2つは、国土保全・農地保全に不可欠な産業として位置づけ得るということ。
草や稲わらを食み、セルロースをタンパク質に変えてくれる牛は、農地保全に欠かせない存在で、離島などの国土保全にも役立っている。さらに、豚・鶏についても、国産の飼料用米やエコフィードの活用などで、今後、農地保全・環境保全の一翼を担う存在となり得る可能性を持っている。
そして、このような位置づけを与えることができるように、国の政策を動員していくことも必要だろう。

3つは、農業だけでなく、工業や商業・サービス業と連携し、すでに地域経済の核となっているということ。
北海道の酪農などはその典型だが、酪農・乳業メーカーが一体となって地域ブランドを形成し、地域の雇用を生み出している。
このような地場産業の育成は、地域活性化のために極めて重要だ。

4つは、他の農業分野と比べ、企業経営体としての脱皮が進み、「攻めの農業経営体」を作る先駆けとなり得るということ。
私が今まで接した畜産・酪農家は、極めてチャレンジングな方が多かった。わが国農業の体質を「攻め」に転じるためにも、畜産・酪農業の経営体質をさらに近代化していくことが大切だろう。

今後の農業政策を考える上では、その役割と重要性を再認識した上で、国の政策を、農業のあるべき方向を実現させることができるような方向に組み立て、体質の改善を図る努力が必要と思う。