新型コロナ対策に知恵を集める~私の提案が実現へ
2021-1-23
先のコラムで、1月13日午前の党本部の会議で、私が、外国人や邦人の入国後の行動制限は、現在「誓約書」で担保されており、一定の強制力を持たせるためには、入管法や検疫法の改正検討が必要と述べたことについて触れた。
この指摘を受け、その場でも、政府から、「検討する」旨の回答を得たわけだが、早速に改善が図られることとなった。
会議終了後、私から担当者に対しては、検疫法で何らかの義務づけを行い、その義務に違反した場合は、入管法の世界で対処することを検討してはいかがかという提案を行った。
政府の検討も迅速だった。
まずその日(1月13日)の午後には、入管法の運用改善を図ることが決定された。
すなわち、「誓約書」に反して行動制限に違反した法人については、その氏名を公表できることとし、外国人については、虚偽の誓約を行ったと認められる場合には、退去強制の自由となり得ることとされたわけだ。
まずは早速の改善が図られたわけだが、もとよりこれでは完全というわけではない。
すなわち、「虚偽の誓約」と認められる場合は、必ずしも多くはない。
このため、さらに、入管法や検疫法の世界での検討が必要だ。
1月18日には、今国会における新たな法改正の検討の方向性が示されたが、13日の段階では、新型インフルエンザ特措法と感染症法の改正の方向が示されたが、これに、検疫法の改正が加えられた。
すなわち、検疫所長が、入国した外国人や邦人に対し、行動制限を要請する規定が新設され、この要請に違反した場合は停留を命じることができることとなった(停留に違反した場合は1年以下の懲役)。
これにより、入国後の行動制限が義務化されることとなった。これは大きな前進だ。
ただ、現行入管法では、1年を超える懲役は、退去強制の自由になり得るが、今回の停留命令違反は、1年以下の懲役だ。
もっとも、オリンピック、パラリンピックについて言えば、開催時の入国は、ほとんどが短期の在留資格なので、行動制限、停留、停留違反の調査を行っている間に、在留期間が経過してしまうことがく、水際対策としては、かなりの効果がある。
論理的には、長期の在留資格(専門的技術や技能実習等)を持つ方が停留命令に違反した場合に退去強制ができないという問題があるが、わが国で相当長期働いたり学んだりしようと考えている方が、停留命令違反を日常的に犯すものなのかどうか、この点については、担当とも話をし、少し様子を見てみようということになった。
いずれにせよ、新型コロナウィルス感染症対策は、今まで誰もが経験しなかったものだ。
政策立案の過程では、勿論完全な案が出てくるわけではない。
だからこそ、私たちは、細かなことでも、しっかりと提案をしていくことが大切だ。
今回の例は、政府が迅速に提案に応えてくれた好事例ということができよう。