運動器の健康を増進させ健康寿命を延伸させる議員連盟を立ち上げ

2006-11-26

事務局長として「運動器議連」立ち上げ

11月21日の自民党本部、私が事務局長となって、「運動器の健康を増進させ健康寿命を延伸させる議員連盟(略称「運動器議連」)」の設立総会が開催された。
「運動器」というと、一般には耳慣れない言葉で、「金魚運動器の類?」といった質問を受けそうだが、医学的には、身体を構成する骨・関節・筋を総称し、脳からの命令による身体活動の発現を行う器官のことを指す。
だから、ありていに言えば、手、足、腰などのこと。
このHPのコラムでは、これまで、憲法問題、北朝鮮問題、行政改革、青少年問題、社会資本整備問題、農業問題、その他の議員立法などについての私の活動を紹介してきた。
それだけでも結構忙しいのだが、今度は、これに加えて、「医療分野」にも首を突っ込むことになる。
もっともそれには理由があり、個人的に、私の親戚にお医者さんが多かった関係で、これまで、「運動器の健康増進」について、数年間、勉強させていただいたことを踏まえての、この日の議連発足だった。良く知られているように、わが国の平均寿命は世界1で、2002年には、男女平均81.5歳と、1999年の80.5歳と比べ、3年間で1歳延伸した。
ところが、この間、「病気や怪我などで健康が損なわれない人生の期間」である健康寿命の方は、74.5歳から73.6歳へと、逆に縮まってしまった。
平均寿命と健康寿命の差である不健康期間の伸びは、当然のことながら、高齢者医療費や介護費用の増大に直結する。
だから、現実に、財政上の理由から、医療費や介護費削減への圧力が強まりつつあるわけだ。
そして、医療や介護の水準を落とさず、財政負担を軽減するためには、「健康寿命の延伸」は、極めて大切なことと言える。

このような観点から、自民党では、平成16年、「健康フロンティア戦略」を策定、また、安倍新内閣の下、本年11月、「新健康フロンティア戦略賢人会議」が置かれることとなり、政府・与党を挙げて、健康寿命の延伸に乗り出す体制が整った。

私達の議連は、このような流れの中にあって、「運動器の健康増進」をどう位置づけていくかという課題を研究していくことを考えている。
すなわち、健康寿命の延伸のためには、良く言われる、生活習慣病やメタボリックシンドロームの問題も勿論重要だが、実際は、転倒による骨折が、寝たきりの原因になったなどの例は、枚挙にいとまがない。

もっとも、この「議員連盟」、運動器の強化やリハビリに関わる方たちが行っている事業に予算を回してくれと頼むことを目的に作ったわけではない。
「新健康フロンティア戦略」などへの大きな流れの中で、必要な提言を行い、実態に即した健康寿命の延伸政策が実現するよう、議員の側も、手、足、腰といった運動器の健康増進に関わる現場の課題などについて、しっかりと勉強していくことが必要だ。
実は、この問題については、これまで数年に渡り、数人の同僚議員と、お医者さんなどを交えて勉強を重ねてきた。
そして、安倍新政権における健康戦略の動きを勘案すると、よりウィングを広げることが必要と判断、この日の議連発足となったわけだ。
議連には、38人の自民党衆参両院議員が参加、この日は、本人の出席が22人と、大盛況だった。

会長には、尾辻秀久・元厚生労働大臣(参院議員)、幹事長には鴨下一郎・自民党政調副会長(厚生労働担当)に就いていただき、私が、これら諸先輩のご指導を受けながら、事務方を引き受けることになる。

実は、運動器の問題には、整形外科医がメインとはいえ、理学療法士、柔道接骨師、トレーナー等々、結構多くの方が関わっている。
加えて、今現場で問題となっている、運動器リハビリテーションの日数制限の問題もある。
ただ、それはそれとして、私自身は、事務局長をお引き受けした以上、提言作成に向けても、「国民のため」という視点を、明確に打ち出していくことが必要と思う。

すなわち、検討の方向としては、
①運動器に係る施策の強化が、財政的にも社会保障費全体の圧縮につながること
②運動器に係る施策の強化が、臨床的にも健康寿命の延伸につながること
などを、私達としても、実証的に押さえていく必要があろう。

その意味で、私も、今後いろいろな企画を仕組んでいきたいと考えている。