中央省庁改革委員会の初会合~中央省庁再編の検証とさらなる改革に着手

2007-2-7

中央省庁改革委員会の初会合

平成13年1月、霞ヶ関の中央省庁のフォーメーションは、それまでの1府22省庁から、1府12省庁へと、大きな変貌を遂げた。
故橋本龍太郎総理の主導した、「中央省庁等改革」だ。
その後6年を経過、今、「中央省庁の再々編」が、話題に上っている。
何故「再々編か」ということは後述するとして、自民党でも、6年前の省庁再編の検証とさらなる改革へのビジョンを策定するため、総裁直属の機関である行政改革本部(中馬弘毅・本部長)に、中央省庁改革委員会(園田博之・委員長)を発足させることとし、私が主査に就任、今後の運営に責任を持っていくこととなった。
2月6日の自民党本部、中央省庁改革委員会の初会合が開かれ、今後の進め方などについて討議がなされた。
今日は、何故今、「中央省庁再々編」について検討するのかということを書いてみたい。「中央省庁再々編」といっても、我々は、例えば、「△△省を再編し、新たに○○省を創る」などといった、各論的方向性をもってことに臨んでいるわけではない。
確かに、ときに、一部の政治家や識者から、中央省庁について、具体的省庁名を挙げ、新たな再編の提案がなされることもある。
しかし、中央省庁等改革の問題は、どこかの省庁に変更を加えれば、他の省庁にも波及することは必定で、全体のフォーメーションの中で議論を進めていくことが大切だ。

では、何故、今、中央省庁改革なのか。代表的理由を挙げてみよう。

その1つの理由としては、現在の1府12省体制発足後、すでに6年間が経過し、当時の理念が本当にいかされているのか、評価し直す必要があるということが、やはり大きい。
平成13年の再編は、「政治主導」、「タテ割り行政の排除」、「省庁の大くくりによる国家戦略の明確化」、「行政の透明性の確保」などの実現を目指して行われた。
この理念が、再編後、具体的にどのように生かされているのか、しっかりと検証し、行政改革努力が不十分で、例えば、組織の自己増殖に陥っているといった問題点が発見されれば、的確な提言を行っていくことが大切だ。
特に、その際、「政治主導」などとの関連で、「内閣府・官邸の機能強化」をどのように実現していくべきかという問題も取り上げていくこととなろう。

その2つは、省庁再編後、小泉政権の下で、「官から民へ」の改革が行われ、この改革は、さらに加速されつつあるが、現在の中央省庁のフォーメーションが、この流れに対応したものとなっているかという点についても、検証していく必要があるということだ。
この作業は、公務員の定数削減、公務員制度の改革、独立行政法人改革、政府系金融機関改革、郵政改革の流れなども睨みながら、行っていくことが必要だろう。

その3つは、「国から地方へ」という昨今の地方分権改革、さらには道州制の議論との絡みで、現在の中央省庁のくくりや地方支分部局のあり方が、真に機能的と言えるのかどうか、評価していく必要があるということだ。
地方制度は、昨年成立した新たな地方分権推進法や道州制の検討の中で、全く新たなステージに入っていく。このような国と地方の役割分担の変化は、当然のことながら、国の行政組織のあり方にも、必要な見直しを迫ることもあり得よう。

もとより、21世紀におけるわが国の行政を、より戦略的に運営していくためには、その組織のあり方についても、不断の検証を加え、必要な改善を加えていくことが大切だ。
ただ、この仕事は、多方面からのリアクションが予想されるだけでなく、各省庁の現在の業務のあり方を丹念に聴取することが必須となるなど、極めて膨大な作業量となることは明らかだ。
その意味で、今のタイミングで、中央省庁改革委員会という組織が発足し、政治主導で、この問題に力を入れていくこととなったのは、大変良いことだと思う。

何せ作業量が膨大なだけに、参議院選挙前は、6年前の改革の検証が主になってこようが、 国民に対しても、このような仕事の重要性や、現在の問題点を、的確にアピールしていければと考えている。