衆院予算委質疑が全国にTV中継(1)~政治家とマルチ商法業界の関係を質す

2009-1-18

予算委員会で民主党を一喝

平成21年1月8日、私の衆議院予算委員会での質疑が、NHKで全国に中継された。
この日は、石原伸晃、小池百合子氏といった自民党総裁選候補者らに続いて質問に立った。
かつての自民党であれば、論戦の花形、予算委員会のテレビ中継入り質問は、党3役や閣僚経験者が行うのが相場、私のような、40歳代の2期生代議士が論陣を張るなど、考えられなかったと思う。
その意味で、自民党も大きく変わってきている。
もっとも、私自身、衆議院予算委員会での対総理質疑はこれで5回目、すなわち、平成18年2月の対小泉総理、平成19年3月の対安倍総理、平成19年10月の対福田総理、平成20年10月の対麻生総理、そして去る1月8日の対麻生総理で、うち3回はテレビ中継入りだ。
これは勿論、党所属議員の中でも、異例の多さだ。
今、自民党は、「結党以来の危機」と言われているが、だからこそ、年次や年齢にとらわれず、チャンスが与えられているわけで、私たちは、このチャンスをいかして、国民のための政策を進めねばならないと思う。さて、この日の質問で、私は、民主党の小沢代表の政治団体が多額の不動産を保有している問題に触れた上、「政治家と特定業界、特にマルチ商法業界との不明朗な結びつき」について質した。

昨年10月、民主党(当時・現在は離党)の前田雄吉衆議院議員が、マルチ商法業界から、千数百万円に上る「講演料」等名下の資金提供を受け、4回にわたり、国会で、国として業界を支援すべきという内容の質問をしていたことが報じられた。
民主党は、小沢代表が前田議員から事情を聴き、その日のうちに、同議員を離党させるとともに、次期衆議院議員総選挙での公認を取り消すという「迅速」な対応をとったが、その後も、民主党内には、「マルチ商法」を育成するための議員連盟が結成されていたり、他の議員に対しても、多額の献金がなされていたことが次々と発覚した。
ところが、これが、自民党の野田聖子・消費者行政担当大臣にも飛び火。
野田氏が、平成8年の商工委員会で、「マルチ商法業界擁護」の発言をし、その6年後に、「マルチ商法」の会社から「献金」(16万円)を得ていたことが報じられ、民主党の小沢代表などは、「野田大臣の方が問題」などと発言し、一部報道では、自民・民主で「両すくみ」的な見通しも語られたりしていた。

さて、いわゆる「マルチ商法」とは、一般の方々を募り、例えば、「ある商品を売ればリベートが支給する」ことを謳い文句に、入会料を取ったりするもので、一歩間違えば「詐欺」にもなりかねないもので、毎年2万件以上の苦情が、国民生活センターに寄せられている。
ただ、憲法で職業選択の自由が保障されていることから、このような業態を一律に禁止することもできず、現行法では、厳しい規制を課すに止めているわけだ。
まあ、現在のところ、お世辞にも、「支援する」とか、「育成する」べき業種とは考えられない。
このような特定業界と政治家との不明朗な関係を、私は、「両すくみ」ということでウヤムヤにしてしまってはならないと考えている。

だからこそ、1月8日の予算委員会の質問では、私はまず、野田聖子・消費者行政担当大臣に矛先を向けた。
平成11年の児童ポルノ法の立法に携わって以来旧知の野田大臣には、事前には、「与野党のマルチ疑惑をウヤムヤにさせないため、厳しく追及します」と通告しておいた。
質疑内容は、衆議院インターネットTVの次のアドレスをクリックして頂ければと思う。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=39518&media_type=wb&lang=j&spkid=7004&time=02:29:50.3
あの朝日新聞にも、私の度重なる質問に、野田聖子大臣が「ぶぜん」とする一幕があったとも報じられたほどだ。
質疑後の反応は、「あそこまでやらなくても」、「野田聖子さんが仏頂面だったのはおかしい」とか、色々ではあったが、翌日お会いした安倍元総理は、「身内をしっかりする姿勢が良かった」と評していただいた。
さらに、あの「ハマコー」こと浜田幸一元議員から電話がかかってきたのも意外だった。
曰く、「君の質問はいい。勇気がある。」。

しかし、民主党席からのヤジは余り上品とは言えなかった。
例えば、「野田聖子も(収賄罪の時効である5年を経てから16万円の献金をもらうのは)賢いな」。
私の「野田氏は、当時満足のいく政府答弁は得られなかったが、規制強化に賛成した」という発言に、「(満足しなかったことが)問題だ」、など、執拗なヤジ。

でも、自民党内では、このようにテレビの前で、正々堂々と疑惑究明をしているのに、民主党はほとんど何もしていない。
だから、このような民主党の「自分に優しく他人に厳しい」姿勢に対し、私はこの日、次のように応じた。
「いいですか。
(野田聖子国務大臣が日本アムウエイから)16万円のパーティー券を購入されていますけれども、あなた方、今やじられた、民主党議員に流れましたのは4千万円以上ですよ。
ちゃんとそこら辺、そこら辺で言うんだったら調べてくださいよ。そして、報道もありますけれども、この質問についても、個々に業者とすり合わせをして報道されたというふうに報道されているじゃないですか。
同じように今、野田大臣に対して言ったような質問を、参考人として民主党の議員の皆さんに私から質問させてくださいよ。

しかも、その議員連盟を結成して、業界の講演会で商法を推奨している。
今の野田さんの話にありましたけれども、講演会に出て、商法だとか商品を、そんなのを推奨したことなんてないですよ、野田さん。
このようなマルチの疑惑につきましては、先般、十二月の十七日でございますけれども、私ども自民党としても調査を行って、中間報告を行いました。
実は、現在いろいろな情報が私どものプロジェクトチームにも集まっております。これを今精査しておる最中でございます。
ですから、ここの場ではこれぐらいにというふうにさせていただきたいと思います(中略)。

ただ、ここのところは、先ほどもお話を申し上げましたが、本来だったら、民主党こそが自ら調査を行って、その結果を私は明らかにすべきであるというふうに思います。」