「つくばエキスプレス」をどうやって育てていくか~TX議員連盟総会

2006-8-3

TX議連で東京延伸を決議

8月2日、参議院議員会館会議室で、「つくばエキスプレス利用・建設促進議員連盟」(会長・倉田元参院議長)の総会が持たれた。
昨年8月24日に開業した「つくばエキスプレス(TX)」は、秋葉原駅とつくば駅とを結び、JR常磐線と平行して走る、全長60㎞余の鉄道だ。私の選挙区(茨城3区)には、守谷駅がある。
良く、首都圏最後のビッグプロジェクトなどと言われるが、利用者数も、初年度1日平均14万人の見込みが、17年度は15万人、18年度に入ると18万5千人と、予想以上の順調な滑り出しを見せている。
私の父、葉梨信行元衆議院議員は、平成2年、超党派でこの議連が結成されて以来、平成15年の政界引退まで会長を務めてきた。
そんなご縁で、現在私が議連の事務局を引き受けているが、一見順風満帆に見えるTX、実は今後の課題が大きい。1つは、沿線に住民を張り付かせ、どのようにして「ペイできる」鉄道にしていくかという課題だ。
初年度の利用者数こそ、当初の見込みを大幅に上回ったが、最終的な収支均衡ラインは、1日平均の利用者数が27万人で、まだまだ開きがある。
TXの運営主体は、東京・埼玉・千葉・茨城の4都県が出資した第3セクター、「首都圏新都市鉄道株式会社」。
鉄道の建設費の8割は、国などの無利子貸し付けで充てられたがこれが5年後には有利子負債に転換される(6000億円強)。
借金を返せなければ会社は潰れてしまい、その負担は、4都県の県民にのしかかる。

だからこそ、沿線で、どのような宅地開発を行い、人口を増やしていくかが大きな課題だ。
このような開発に当たって、私は、「郊外型ライフスタイルの提供」と「合理的な価格設定」という、2つのポイントがあると考えている。
豊かな里山の中を走るTX、その周辺の面整備は、やはり、質の面でも、「真にゆとりのある郊外型ライフスタイル」とは何かということを追求すべきだろう。
また、そのよう良質の住宅が、合理的な価格で手に入るようにしていくことも重要だ。
その意味で、TXは、宅地と手地道の一体的開発を目指すというコンセプトの中で企画されただけに、従来の鉄道と比べ、路線周辺の面整備が、極めて計画的に行われている。
この日の総会でも、この点に関し、関係都県や都市機構と、活発な意見交換が行われた。

2つは、TXのネットワーク効果をさらに高めるため、現在の秋葉原駅止まりを、どう東京駅まで延伸していくかという課題だ。
実は、TXの東京駅延伸は、平成12年、運輸政策審議会で「今後建設を検討すべき路線」という答申がなされて以来、沿線住民の悲願となっている。
そして、TXが東京駅に到達し、新幹線や東海道線との速達性が向上すれば、沿線の面整備も促進されるのは必至だ。
ただ、社会資本整備にはお金がかかる。
秋葉原~東京駅間の2㎞とはいっても、都心は超過密、地下40m程度の大深度地下を通さねばならず、建設費は約1000億円と見積もられている。
しかし今、このような投資には、もはや政治の無理はきかない。
個々の事業について、国民にわかりやすく、その整備効果を明らかにし、出資者である関係自治体等を納得させていくという、道理が必要だ。
このため、我々は国土交通省にお願いし、平成17・18年度の2ヶ年をかけて、TX東京延伸の費用対効果についての、調査事業を行ってもらうこととした。
その結論が非常に重要になる。
この日の総会では、千葉県の流山市長から、沿線都市を代表して、その調査の答申に盛り込むべき重要なポイントを指摘して頂いた。議連としても、このような地に足のついた努力により、何とかTXの東京駅延伸を実現させていきたいと考えている。

最後に、ちょっとローカルな話だが、私の選挙区事情について述べる。
私の選挙区では、TXの駅を有するのは守谷市(人口約5万)のみで、並行するJR常磐線沿線の、取手市(約11万)・竜ヶ崎市(約8万)・牛久市(約8万)・阿見町(約5万)の方が、圧倒的に人口が多い。
だから、有権者によっては、「TXばかり一生懸命やっても、ますます常磐線沿いが寂れ、選挙に逆効果」という人もいる。
ただ私は、そういったゼロサム思考でなく、並行路線の競争こそが、お互いを豊かにすると考えている。
現に、この地域で独占企業であったJRも、TX開業に併せ(もちろん我々の要請もあったが)、新型車両の投入、平成22年度の東京駅延伸、取手市内の藤代駅のバリアフリー化などの施策を矢継ぎ早に打ち出した。
だからこそJRは、TX開業による常磐線の乗客減を、予想の半分程度に食い止めることができたわけだ。

良い意味での競争は、まちづくりを活性化させるはずだ。
TXと常磐線の緊張関係を活用し、私たちの地域を発展させる起爆剤になるような仕事をしていきたいと思う。