再び与野党激突の最前線に~特別枠の国会対策副委員長に就く

2008-9-1

福田総理、小坂議運委長、私。国対委員会室にて。

内閣改造も終わり、自民党の役員人事も、お盆前には、副幹事長、政務調査会副会長、国会対策副委員長等の新体制が決まった。
私はこれまで1年間、国会対策副委員長を務めてきたが、与野党激突の最前線でやりがいはあるものの、いかんせん拘束時間が長い。
このため、この臨時国会では、再任は希望せず、
○社保庁ヤミ専従問題対策PT座長として、社保庁を大掃除
○総務部会長代理として国家公務員の給与改革に挑戦
○配合飼料高騰対策PT座長を務める農林関係議員として米価安定等を実現
などの仕事に取り組みつつ、地元の活動を強化するつもりでいた。

ところが、そうもいかなくなってしまった。
8月19日、午後の総務部会長・部会長代理会議に出席するため、取手発の常磐線快速に乗っていた私の携帯に、議員会館の事務所からメールが届いた。
「至急大島国会対策委員長と連絡をとって頂きたい」という内容だった。さて、国務大臣の人事は、総理の専権事項で、小泉政権以来、いわゆる「派閥均衡」は、ほとんど影をひそめている。
しかし、国会対策副委員長というポストは、その機能上、派閥(政策グループ)との連絡役という色彩が極めて強い。
というのは、国会対策副委員長に求められる、ギリギリ・究極の仕事は、与野党折衝云々よりも、委員会や本会議での採決に当たって、党議決定に対する身内の造反者を出さないことであり、その念押しは、今のところ、派閥(政策グループ)を通じて行うのが、客観的に見て、最も効率的だからだ。

勿論、昨今は、派閥(政策グループ)の統制は、昔ほどではない。
私も、義父の葉梨信行が宏池会(池田、前尾、大平、鈴木、宮沢、加藤、堀内、古賀派)に所属しており、特に誰とも喧嘩したわけでもなかったため、当選してそのまま宏池会に所属しているが、実のところ、今まで、「派閥」から「締め付け」を受けた経験はない。
ただ、党本部からのFAXニュース以外の、国会運営に関する情報などは、派閥(政策グループ)を通じて貰えるので、その点では便利にしているし、国会対策副委員長が、派閥(政策グループ)との連絡役として、「派閥均衡」で人事が割り振られることにも、一定の合理性があると思う。
そして、8月1日の党役員人事、内閣改造の後、国会対策副委員長人事の調整が始まり、8月5日には、所属人数50人以上の政策グループ(町村派、津島派、古賀派)からは各2人、それ以外の政策グループ(伊吹派、山崎派、麻生派、高村派、二階派)と無派閥グループからは各1人ということで、12名の副委員長が総務会で了承され、新たな体制が発足した。
ちなみに、私の所属する宏池会(古賀派)からは、国会対策副委員長として、村田吉隆衆議院議員と小里泰弘衆議院議員の2人が名を連ね、私もひそかに安心していた。

常磐線快速の中でメールを受けた私は、電車の中では電話もできないので、8月19日に上京後、すぐにアポをとり、大島理森国会対策委員長室を訪れた。
内容は、単刀直入、「昨年来のネジレ国会の運営の難しさは良く分かっていると思うし、君にはこの1年間、大変なご苦労をかけた。ただ、心苦しいが、特別に、引き続き、国会対策副委員長をやって欲しい。委員会は、予算委員会とテロ特別委員会にも入ってもらう。」というもの。
評価していただいていることは有り難いが、なかなかしんどい要請であることも間違いない。
でも、ここまで言われたら、断るわけにもいくまい。
私は、「分かりました。しかし、何とか月曜日位は、地元で活動させて下さい」と返答するしかなかった。
ただ、現在の総務委員会(党で総務部会長代理を務めているためはずれるわけにもいかない)と国土交通委員会(国土交通委員会担当の国会対策副委員長であるためはずれるわけにもいかない)に加え、あらゆる難題が集中する予算委員会と、臨時国会最大の焦点であるテロ特措法を審議するテロ特別委員会に所属した上での国会対策副委員長となると、正直、身は1つしかないわけで、余程効率的な時間の使い方を身につけなければならない。

しかし、特別に国会対策副委員長に任ぜられた以上は、国会の論戦を、意図的に足を引っ張るための後ろ向きのものから、与野党が政策の違いを際だたせる前向きのものに変えていくよう、最大限の努力を払わねばなるまい。
今後、1年以内に、確実に総選挙はある。
だからこそ、国会での議論が、与野党どちらの主張が妥当で現実的かということを、国民が冷静に判断できる材料を提供できるものとなるよう、私自身も時には質疑のバッターに立ちながら、努力していきたい。