景気回復を着実なものに~関東信越国税局と関東財務局を視察特例

2014-3-27

浦和・大宮署合同の申告会場(埼玉スーパーアリーナ)

3月10日、財務大臣政務官として、さいたま市にある関東信越国税局と関東財務局を視察・督励した。
本年の所得税などの確定申告は3月17日(月)が期限で、国税局・税務署にとっては、最も忙しい時期である上、財務局は財務局で、4月からの消費増税を控え、経済界のマインドが縮み指向にならないよう、各種の情報交換などに躍起だ。
(1か月間に集中する確定申告)
ご案内のように、所得税などの確定申告は、2月16日から3月15日(本年は17日)までの1か月間。所得税関係の業務は、この1か月間に集中する。この2~3年は、一部の年金関係の申告が不要となった関係でいささか減少したが、確定申告の件数自体は、増加傾向にある。
ところが、国税庁の定員を増やすわけにもいかず、この期間に集中する相談業務のかなりの部分が、非常勤職員の活用や民間委託によりまかなわれる。
私も実際、相談センターや確定申告会場の現場で説明を受けたが、相当丁寧な対応が行われているという印象だ。しかし、これには大変な手間もかかるし、申告を受け付けた後も、これをチェックしてデータベースに入力する作業が待っている。

現場でお話を伺い、改めて、電子申告、いわゆるe-taxがもっと普及すれば、行政の省力化に大きな力を発揮することを実感した次第だ。
その電子申告だが、国税庁の統計では、公的個人認証を経たオンライン申告の普及率が46.9%、国税庁ホームページをダウンロードするなどの形態も含めると65.5%で、数的には相当進んでいるようにも見える。
ただ、オンライン申告の多くの部分は税理士さんによる代理申告と思われ、一般市民が、住民基本台帳カードの公的個人認証を取得して電子申告するケースは、まだまだ少ないという印象だ。
実は私も、4年前から、公的個人認証を取得して、自分で所得税の電子申告を行っている。
確かに自宅で申告までできるという利点があるものの、税金面のメリットが初年度5千円の税額控除(ICカードリーダー購入費に相当)のみなのに、公的個人認証の有効期間が3年で、更新の都度500円の手数料を徴収されること、医療費控除の申請が結構手間なことなど、さらなる普及のためには、工夫が必要かも知れない。

(景気回復を確かなものに)

4月から、消費税が5%から8%に増税される。
私も、3月下旬の連休に、新宿と柏のデパートに行ってきたが、大変な混み具合で、これが、「消費増税前の駆け込み需要」なのかと実感した。
ただ、この「駆け込み需要」は、2月までの統計では、民間の予測ほどには盛り上がっていないという話も聞く。
もっとも、余り「駆け込み需要」盛り上がりすぎると、その反動減がそれだけ大きくなるわけなので、私自身は、今のところの統計的数字は悪い傾向ではないと思っている。
それでも、消費増税直後の4月には、当然、個人消費は落ち込まざるを得ない。問題は、どうやってその落ち込みを最小限に食い止め、通常のペースに戻していくかということだ。
その意味でやはり頼りになるのは財政出動で、特に、25年度の補正予算(5.5兆円)を早期に執行し、少なくとも数ヶ月の間は、公共事業や物品の調達など、官主導で総需要を維持していくことが大切だ。
だからこそ、財務省としても、予算の早期執行を各省庁に要請、さらにそのフォローアップを丁寧に行うこととしたところだ。
これに加えて、4月以降の経済界のマインドを縮み指向にさせないことも必要だ。
マスコミでは、4月の消費増税のみがクローズアップされており、その規模は、26年度の見込みで、約5.1兆円と確かに大きい。
しかし、4月以降減税となる税金もある。
復興特別法人税の前倒し廃止に加え、賃上げに積極的な企業の法人税減税、設備投資や研究開発減税などで、その減税規模は約2兆円となる。
このようなメニューをしっかりと経済界に周知するのも、財務局をはじめとした国の出先の役割だ。
このような努力で、4月以降も、景気の回復を確かなものとする努力を継続していきたい。