経営者の役割と政治の役割

2004-1-26

~関正夫茨城県経営者協会会長の叙勲祝賀会での祝辞~

茨城三区選出の葉梨康弘です。

関社長(全国石油商協同組合会長、茨城県経営者協会会長、関彰商事社長等を勤める)、旭日重光章の受章まことにおめでとうございます。

本日は、午前中衆議院の予算委員会があり、午後一番の特急で駆けつけて参りました。

と言いますのは、関社長には、私は勿論ですが、私の父、葉梨信行(前衆議院議員)が、永年にわたり大変お世話になって参りました。本日は、父の分もお祝いを申し上げたく参上した次第です。本当におめでとうございました。

さて、関社長は憶えていらっしゃらないとは思いますが、実は私も、関社長にお世話になった経験がございます。

平成9年の5月、神戸で、いわゆる連続児童殺傷事件が発生しました。あの、酒鬼薔薇事件です。当時私は、警察庁の少年課というところで、少年犯罪対策を担当しておりました。

この事件で、世の中はパニックに陥りました。子供たちを外で遊ばせることができない、登下校の安全を守ることができない、世の親は、頭を抱えてしまいました。

当時の文部省でも、これは困ったということで、安全対策のための全国会議を開き、私が、多分お巡りさんとしては初めて、文部省の全国会議に呼ばれることになりました。

実はその前年の平成8年12月、岐阜県の可児という市で、全国で初めて、「こども110番の家」、いわゆる駆け込み110番の取り組みが行われていました。私は、これを全国に広げたらどうでしょうかというお話をし、その発言が翌日の産経新聞の一面に取り上げられ、これを契機に、「こども110番の家」が全国に広がっていくことになりました。

そして、その後、私も、いろいろな団体、お店に働きかけをしていったのですが、行政側から言われてということでなく、産業界の発意で、「こども110番の家」を全国的に広めていこうという運動を展開されたのは、私の仄聞するところ、ガソリンスタンドだけだったのです。

他の物を売るお店もたくさんあるなかで、当時全国の組合の会長をされていた、また、今も会長をされている関社長のイニシアチブで、ガソリンスタンドが、まさに産業界の発意で、「こども110番の家」の運動を進められたことは、本当にすばらしいことと思います。

そして、この産業界の発意ということで、一言申し上げたいと思います。

今、わが国の景気にやや明るい兆しが見えつつあるといわれていますが、それでも、かつてのような国全体での10%成長など望むべくもなく、経営者が努力をしないでも、行政や政治に頼めば何とか成長できた時代は、過去のものとなりつつあります。

今後のわが国の発展のためには、産業側が創造的な発意をもって不断の努力を行い、政治や行政の側は、その努力が報われるように、命懸けで知恵を絞り、行動していくことが大切です。

だから、一つには、「良い政治家」が求められてきます。

私も、当選後2ヶ月半の新米代議士ですが、諸先輩のご指導を受けながら、「良い政治家」になるよう、一生懸命努力していきたいと思います。

ただ、多分それ以上に重要なのは、「良い経営者」です。

私は、本日叙勲の栄に浴された関社長が、産業界の発意と創意を実践する「良い経営者の」代表として、ますますご活躍されるとともに、後進を導いていただくよう是非お願いしたく思います。そして、関社長と一緒に、すばらしい茨城、すばらしい日本、さらには新しい時代を語り、創っていきたいと望むものであります。

関社長、そして奥様、改めて、本当におめでとうございました。