公務員給与改革再始動~選挙期間のブランクを埋めて改革の加速を

2005-9-28

今回の総選挙は、8月8日の衆議院解散から、9月11日の投票、21日の特別国会召集と、アッと言う間の40日だった。

公務員給与改革議連再始動(H17.9.28)

例年、8月から9月にかけての時期は、来年度予算に向けた各省庁の概算要求や税制改正要望の取りまとめが行われる。
また、私たちが取り組んでいる公務員給与改革の関係でも、毎年8月の第2週(本年は8月15日)には、人事院勧告が、内閣及び国会に対して提出される。
私たちも、選挙がなければ、このようなタイミングに合わせて必要なアピールを発信していくつもりでいたが、選挙の真っ最中で、それもかなわなかった。
その選挙の結果は、「改革の継続」と出た。
我々としても、早く選挙期間のブランクを埋め、改革を加速させていかなければならない。
私が事務局長を務める「公務員給与改革断行を求める会」も、今日、9月28日、選挙後初の会合を開き、活動を再開した。本年の人事院勧告は、
○国家公務員基本給を全国一律で5%引き下げ。
○その代償措置として、民間企業の給与水準の高い地域での地域手当(3%~18%)等(東京都など)の創設
○昇給カーブのフラット化(若者に手厚く、中高年公務員の給与を下げる等)、給与への勤務実績の反映などの給与構造改革
などを柱とするもので、民間から見れば、「何だその程度か」という声はあるかも知れないが、従来の人事院勧告と比べると、相当突っ込んだ内容になっていることも事実だ。

もっとも、だからといって、国民の代表者としての我々政治家が、これを手放しで評価していれば良いというものでもない。
従来から、我々「公務員給与改革断行を求める若手議員の会」も、「人事院等への圧力団体」として、国民の目線に立った給与改革を求めてきた。
その考え方が、ある程度、今回の人事院勧告に反映されたとはいうものの、さらに検討すべき課題も多い。
だから、実のところ、解散がなければ、人事院勧告が行われるのと同じ日に、その内容を受け、
○基本給5%下げという、今回の人事院勧告の方向性を評価すること
○ただ、地域手当などの代償措置の創設や、5年間で徐々に実施するという経過措置の制度については、お手盛りの批判を招くことのないよう、辛口の検討を加えるべきこと。
○公務員給与の民間準拠のあり方など、中長期的課題についてさらに検討を加えるべきこと。
などを骨子とする「緊急アピール」を発信する準備を進めてきていた。

ところが、これが解散総選挙で吹っ飛び、さらに、人事院勧告については、9月28日午前には、その完全実施についての閣議決定も行われ、特別国会での法案準備の段階に入っている。
もともと、人事院による改革を強力に後押ししてきた、我々「公務員給与改革断行を求める若手議員の会」としては、本年の人事院勧告については、余り細かいことは言わずに、その完全実施を、全面的にバックアップしようと思う。
でも、公務員給与の民間準拠のあり方など、実はこれからやらなければならない課題の方が大きいのも事実。
さらに、政府の方でも、経済財政諮問会議において、公務員の総人件費抑制の議論が、加速度的に進んでいる。
だからこそ、我々政治家の責任として、国民的な関心が極めて高い、今後の公務員給与及び人件費のあり方について、方向性を打ち出していく必要がある。

このため、本日の議連の会議では、私の方から、今後、
○従来の行革委などの議論を踏まえ、官と民の役割分担のあり方について、我々としての方向付けを行うこと
○諸外国の公務員賃金の決め方等を徹底的に調査し、公務員の身分保障を撤廃した場合の給与の決定方法について、我々としての方向付けを行うこと
○公務員給与と民間給与をどのように均衡させるべきか、我々としての方向付けを行うこと
などを提案し、了承を得た。
これからは、年内に数回の勉強会を持ち、可能であれば、来年度予算編成に向け、ある程度の取りまとめ行うとともに、最終的には、来春までに提言を取りまとめたい。

冒頭述べたように、今回の総選挙で示された民意は、「改革の継続」。
国民の負託を受けた我々も、早く選挙期間のブランクを埋め、公務員給与改革をはじめとした改革を加速させていかねばと思う。