衆議院解散によせて~日本の立て直しのために

2012-11-19

街頭で日本立て直しの決意を訴える

11月16日、衆議院が解散された。
遅きに失したとはいえ、民主党政権が、ようやく、「来年度予算は国民の信託を受けた政権の手で編成されるべき」という私たちの主張を受け入れたことを、まずは率直に歓迎したい。
今回の解散総選挙は、私たちのこれまでの在野の活動と、政権交代後の現政権による国の運営を、有権者の皆さまにしっかり評価して頂いた上、日本の将来を担うべき政治勢力を選んで頂くという、極めて重要な選挙だ。前回総選挙で、私が自身の力不足から苦杯をなめ、自民党も歴史的な大敗を喫してから、3年3か月が経過した。
この間私は、皆さまの声を聞く活動に徹し、数万軒に及ぶお宅を訪れるなど、地道な活動を展開してきた。
前回選挙は、ある意味で、「民主党が国民の信任を得た選挙」だったというよりは、「自民党が国民にノーを突きつけられた選挙」だったと思う。
不確実な将来に対する不安感、蔓延する閉塞感に、当時の自民党が必ずしも十分に答えられていなかったことは否めない。
健康保険制度に、「後期高齢者」などというデリカシーのない名称を冠するなど、丁寧さに欠けていたことも事実だ。

わが国は、本格的な人口減少社会を迎え、かつてのような右肩上がりの時代は去った。
国民の痛みを伴う政策を実行しなければならない場面も増えるかも知れない。
だからこそ、これからの政治家、政権政党には、これまで以上に国民の意見を聞き、苦しみをともにしながら、その理解を得ていく姿勢が求められよう。
多くの方と語り合う機会を得た3年3か月は、私にとっても、今後の政治家のあるべき姿を考える貴重な時間だったと思う。

そして、今回の総選挙では、政権交代から3年3か月の民主党政権に対する評価を仰ぐこととなるが、前回総選挙で民主党が掲げたマニフェストが、ほとんど詐欺に等しいものだったことは、すでに周知の事実だ。
私も、前回選挙での敗北直後は、悔しさもあり、嘘ばかりを並べたマニフェストを批判していた。
ただ、蔓延する閉塞感が、危機的水準にまで達していることを肌に感じるとともに、日本そのものが、溶けてなくなっていくような国家運営の状況を見るにつけ、民主党が嘘つきかどうかということよりも、日本を立て直すため、私たちに何ができるかという方に、関心が移っていった。

率直に言って、この3年3か月の民主党政権による国家運営は、落第点と言わざるを得ない。
この間、わが国の国力は目に見えて衰退し、外交能力も劣化し、残念ながらわが国は、諸外国から軽んじられる存在となってしまった。
ただ私は、このような状況を作った原因を、民主党による稚拙な政治にばかり押しつけようとは思わない。
先に述べたように、国民と共感することに欠けていた自民党も、その責任の一端を感じるべきと思う。

良く、「民主党も自民党もダメだ」という意見を聞くことがある。自民党にも責任の一端がある以上、ある意味でもっともな意見かもしれないが、それでは、誰が日本の立て直しを担うことができるか、冷静に判断していく必要がある。
例えば、民主党で政権内にいた人たちが、選挙前に急きょ離党して、このような意見を述べているとすれば、いささか問題だろう。

今問題なのは、「どこがダメ」ということでなく、ここまで来てしまった日本を、どのようにして立て直すかということだ。
これは、口先だけでなく、相当な力仕事となる。
当然、これまでわが国が培ってきた知識・経験・ノウハウを総動員していくことが必要だ。

私は、今回の総選挙に当たっては、野にあって3年3か月、生まれ変わった自民党こそが、日本の立て直しを担うべきことを訴えるとともに、私自身も、国家国民のお役に立てるよう、全力で取り組む姿勢を訴えて行きたいと思う。