与党コミュニティ活動基本法検討PT開く~ようやく法案提出にメド

2008-5-20

左から桝屋代理、太田座長、私

5月14日の衆議院第1議員会館与党政策調整室、「コミュニティ活動基本法案(仮称)」の策定に向け、「与党コミュニティ活動基本法案検討プロジェクトチーム」の第1回会合が開催され、会議の冒頭、自民党の太田誠一衆議院議員が座長、公明党の桝屋圭吾衆議院議員が座長代理に、私が事務局長に、それぞれ選任された。
この法案は、1昨年12月来、自民党地方行政調査会(当時、太田誠一会長、葉梨康弘事務局長)において、関係者からヒアリングを重ね、昨年5月に「提言」をとりまとめて当時の安倍総理に提出、さらに、参議院選挙後、法案化に向けての作業を進めてきたものだが、手続的には、この日の自公PTのキックオフで、与党提案の議員立法として、今国会に法案を提出するメドがついたことになる。
ただ、問題は、「ネジレ国会」と、民主党の「政局最優先」の姿勢。
今回の法案も、5月13日の道路財源法案の再可決後、国会情勢がどうなるか不透明だったため、この日まで、手続が前に進まないでいた。
しかも、国民生活のためにどんなに良い施策を提案しても、「自公両党の得点にさせない」ため「全てNO」という現在の民主党執行部の姿勢は、とても、「参議院で与党を得た」などと、胸を張れるものではないと思うが、我々としては、愚直に政策の必要性を訴えていくよりほかはあるまい。私たちが提案した政策の内容について述べよう。

今、全国のあちこちで、「地域の絆」が崩壊しつつある。
地域の「教育力」、地域の「安全創造力」、地域の「相互扶助力」といった「ご近所の力」は、最近、明らかに劣化した。
そして、地域が、子どもも、老人も、弱者も守ることができなくなった結果として、殺人、児童虐待、家庭内暴力、無理心中などといった痛ましい事件事故が、昨今相次いで発生している。

私たちは、この事態を「どげんかせんといかん」。
ただ私自身は、政府や政治家が、パターナリズム(家父長的おせっかい)的に、法律で、国民に、例えば、「隣組の復活」を押しつけるような提案をしても、今や、国民の受け入れるところとはならず、事態の改善には余り役立たないように思う。
また、例えば、「地域の絆」を担う町内会、自治会等を行政の代替物として位置づけ、補助金漬けにしてしまうといった施策も、住民の自主性や主体性を損なう危険性を孕んでいる。
ただその一方で、町内会、自治会、消防団、スポーツ少年団等の地域に根ざした老舗の団体の活動は、現在、その存続すら危ぶまれていることも事実だ。
私たちは、自然体で、行政や政治が、「副作用」につながるようなおせっかいをせず、かつ、これらの団体の活動に光を当てつつ、その「存続阻害要因」をどう除去していこうかという、必要最小限度の法律案を作るという考え方で、骨子案作りに取り組んできた。

法案の骨子のうち、ここでは3つのポイントを述べる。

1つは、これらの地域に根ざした老舗の団体に、法律で、積極的「意味づけ」を与えようという提案を行ったことだ。
「新参者」といっては語弊があろうが、いわゆるNPOについては、平成10年の特定非営利活動促進法により、法的位置づけが与えられ、「ハイカラ」な定款も規定、現在、約3万4千団体が認証を受け、これは比較的元気がいい。
ところが、従来型の町内会、自治会等には、地方自治法に「地縁団体」という言葉はあるものの、積極的な「意味づけ」が与えられているとは言い難かった。
このため、私たちの原案では、「主として市町村内の一定の近隣地域を基礎とし、当該地域の住民が主体的に行う良好な近隣地域社会の維持及び形成に資する活動」である「コミュニティ活動」を、「近隣地域の住民が相互に理解し力を合わせて共通の課題に取り組む基盤の醸成や、世代を越えた近隣地域の住民の連帯の深化に資する」ものとして、積極的に評価することとした。
そして、このようなコミュニティ活動を行う団体を、「コミュニティ活動団体」とし、活動に尽力した方に対する「顕彰」なども含め、必要な施策を展開していくこととしたわけだ。

2つは、このような「コミュニティ活動」が適切に行われるよう、国、地方公共団体、雇用者がそれぞれの立場で、必要な広報啓発を行ったり、主体的な配慮を行っていこうという考え方を提示したことだ。
決して義務づけではないとはいえ、法律の段階で、例えば、「事業者は、その雇用する労働者がコミュニティ活動に円滑に参加することができるようにするために必要な雇用環境の整備(有給休暇を取りやすくする等)を行うよう努める」というような規定を置くことは、サラリーマンのコミュニティ活動への参加を促すことになろう。

3つは、地方公共団体とコミュニティ活動団体の連携を、行政の本来業務として位置づけ、その強化を図ることとし、さらに、活動の場や、必要な情報の提供を行うことを施策の柱としたことだ。
コミュニティ活動団体は、決して行政の一部でもないし、代替物でもないが、連携は必要なことだ。
ところが、昨今は、町内会等が申し込んでも、なかなか学校等の公共施設が借りられないということもあるようだ。
さらには、個人情報保護法の行き過ぎた運用もあり、町内会長が会員の病気見舞いをしようにも、行政も、病院も何も教えてくれない、あるいは、消防団長が管内の老人のことや新入団員候補者を知りたくても、行政も、学校も何も教えてくれないといったこともあるようだ。
これでは、コミュニティ活動の活性化どころか、その存続が危ぶまれてしまう。
そこで、私たちは、コミュニティ活動団体の「活動の場の充実」、そして、コミュニティ活動団体への「必要な情報の提供(法令の趣旨を踏まえた個人情報の提供を含む。)」という施策を法律に明記してはどうかという提案を行ったわけだ。

まあ、言ってみれば、極めてファジーな法律案ではあるが、それでも私は、現在活動されている町内会、自治会等の皆さんにとって大きな力になるものと思う。
その証左かどうか分からないが、過日、マンション管理組合連合会の方々が私のところに、マンション管理組合も対象になることを明記して欲しいと言う陳情に見えられた。
私からは、この法律案が、対象を「地縁団体」に限定するものでなく、コミュニティ活動としての実態を有するようなマンション管理組合を排除するものではないと説明させていただいたが、それだけ、関係者の関心や期待も高いということであろう。
こういった声を励みに、この法案、現実的には秋の臨時国会で、是非成立にこぎ着けたい。