安心と安全を回復する年に~厳罰化を含め毅然とした対応を

2006-1-3

平成18年の新春、明けましておめでとうございます。

安心と安全を回復するために

昨年は、ようやく株価も上昇に転じ、8月につくばエキスプレスも開業するなど、明るいニュースが聞かれはじめた矢先、11月から暮れにかけて、とんでもない事件が相次いで発生しました。
私は、姉歯元建築士らによるマンションの構造計算書偽装問題、子供を被害者とする凶悪犯罪の続発などの事件を、国民生活の「安心と安全」を根底から揺るがすものと、重く受け止めています。
ここで政治がしっかりとした手を打たなければ、折角上向きかけた景気の腰を折り、今まで痛みを伴いながら進めてきた構造改革の流れに水をさすことになりかねません。
まず、子ども被害の事件についてです。
私は、子ども対象殺人事件の犯人には、理由経緯の如何を問わず、「極刑」(「絞首刑」のこと。)で臨むことを検討すべきと考えます。昨年、自民党でも、子どもの安全確保のための緊急対策が発表されました。
内容は、スクールバスや防犯対策の充実などです。
ただ、「厳罰化」は、昨年刑法が改正されたばかりとの理由で、明確には盛り込まれていません。これは野党の対策も同様です。

私は、平成元年、警察庁外勤課課長補佐として、児童生徒の安全対策に当たる「交番制度」を担当していた当時、今でもまだ拘置所で生きている宮崎勤の事件を経験しました。
また、平成9年、警察庁少年課理事官として、児童生徒の犯罪対策を担当していたとき、神戸の連続児童殺傷事件に遭遇しました。

当時、行政も、PTAも、大変な労力をかけて、児童生徒の安全確保に躍起になりました。
そしてしばらくは、事件も沈静化しました。
でも、もういいかなと、親が学校への送り迎えもやめ、世間も忘れた頃に、新たな犠牲者が出てしまうのです。
そのイタチごっこを断ち切るためには、やはり、「子どもに対する犯罪」を犯した者に、「心神喪失」、「精神耗弱」などの言い訳をさせることなく、殺人については極刑で処断する位の、厳罰化の検討が必須なのです。

私も、かつて行政に携わった者として、「(精神障害者を含む。)人権問題」の難しさ、「極刑」導入への反対論、「個人情報保護強化」の趨勢について、十分に理解しています。
でも、今や、悪循環を断ち切るためにはさらなる厳罰化の検討を進めることが不可欠と考えます。
そうしなければ、子どもを持つ親はみんな疲れてしまいます。

さらに、国会議員が皆、犯罪者の人権に物わかりが良すぎる必要はないと思います。
私は昨年11月、この問題を担当する自民党法務部会の副部会長に就任しました。今年は、今までの経験をいかし、このプロジェクトを進めていきたいと考えています。

次に、いわゆる「姉歯」事件です。

今、世間には、いわゆる「姉歯物件」ばかりでなく、「自分の家は大丈夫なのか」という不安が広がっています。
民間の検査機関にはそもそも信頼性がないという意見も見られ、また、建築確認に過剰な慎重さを要求する政党もあります。そして、今、マンション市況も冷え込んでいるようです。

この問題について、とにかく、徹底的な事実の解明が必要です。
この異常な事件の事実を隠蔽するのでなく、しっかり解明することこそが、多くの国民の不安感を払拭することにつながります。
その意味で、昨年12月の証人喚問での与党の詰めが甘かったことは、同じ国土交通委員として、率直に反省しなければなりません。

今年は、皆様の期待に沿えるよう、事実の究明に向けた国会としての責務を果たすとともに、善良な人達に過度の負担とならず、かつ、確実性を担保できる再発防止策の策定に取り組む所存です。
これが、私の、国土交通委員としての職責を果たすことと考えます。

このほか、今年は、憲法調査特別委員として、憲法改正国民投票法案制定など、国の背骨を作る仕事もしっかりと進めていかなければなりません。

そして、国土交通委員として、TX、常磐線、圏央道など、地域の交通網整備にも取り組まなければなりません。

さらに、党農林部会長代理として、農政改革に筋道をつけなければなりません。

まさに課題は盛りだくさん。
本年も、皆様と共に、着実に前に進んでいきたいと思います。